【PICK UP TEAM】ダークホースから本命へ! 埼玉県代表・昌平のサッカーとは何か。

29日の3回戦・前橋商業戦。表示されたアディショナルタイムは4分。観客の誰もが昌平の快進撃はここまでかと思っただろう。しかし、70+2分にエースのFW本間椋が体勢を崩しながらも同点弾

松尾祐希| Photo by 西田泰輔 Taisuke Nishida

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本来のパスワークが生かす原動力

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「ボールに触れれば、ほとんどとられない」と話していた針谷岳晃。技術レベルに自信をにじませる Photo by Taisuke Nishida

 例えば、今大会の1回戦・中津東戦。相手はボランチのところにまでぴったりとマークを付けてくる、クラシックなマンツーマンディフェンスを敷いてきた。

 そこで昌平はCBから最終ラインの背後に入れることで、相手の守備網を打開する戦術を選択。中盤を飛ばす展開が相手の最終ラインを下げさせ、本来のパスワークが生きる原動力になった。

 逆に2回戦の東福岡戦では格上の相手ということを踏まえ、前半は耐えながら後半の勝負所でギアをチェンジ。結果として3得点を奪い、ジャイアントキリングを成し得た。

 そして、再び3回戦の前橋商戦ではロングボールを多用。「相手の守備は固いけど、跳ね返す力を持っていなかったので、背後を取りながらセカンドボールを拾おうという指示がハーフタイムに監督から出た」(松本泰志)というように3回戦の前橋商戦でもそうだった。

 自らのスタイルを発揮するために愚直に相手の背後へとボールを送り続け、アディショナルタイムにゴールをこじ開けてみせたのである。

 足下の技術を生かしたパスサッカーをベースに、場に応じて臨機応変なサッカーを見せる昌平。全国の舞台でも臆することなく、冷静に実行出来ているところにチームの強さを感じさせた。明日の3回戦は全国屈指の技巧派集団・静岡学園。

 昌平がどのような形で相手をいなすのか、彼らの戦いぶりに注目をしたい。

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