【連載 第3回】7人の子どもとはじまったスクール指導者から市船コーチへ。元プロ選手・式田高義さんが考える“壁にぶつかっても逃げない”子どもの育て方

連載企画第三回、市船の式田高義コーチが歩んだ指導者としての変遷について伺った

田中瑠子| Photo by Editor|シリーズ:高校サッカー部探訪記

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悔しいという気持ちを見逃さない

 クラブ立ち上げから13年経ち、サッカーを学ぶ環境が充実してきたことから、子どもたちの変化を感じることも多いという。

「サッカーに関する情報があふれ、学ぶ機会が増えるのは素晴らしいこと。一方、『このチームでうまくいかなかったから他のチームに入ろう』『このやり方は嫌いだから、違う方法を試そう』など、自分のマイナス面にぶつかると環境のせいにして逃げてしまう子も少なからずいます。与えられた場所でまず努力する姿勢がクセにならなければ、どこへ行っても成長はありません。指導者として心がけているのは、子どもたちの、できなくて悔しいという気持ちを見逃さず、どうすればできるようになるのか、ヒントをその場で出して、手ごたえを感じ取れるようにすること。自分が変われば、状況が変わっていくという実感を与えることで、今から逃げない子どもたちになってほしいと考えています」

 2016年、市船の一つ上の先輩だった朝岡監督に呼ばれ、市船サッカー部のコーチに就任した式田さん。

「ずっと憧れていた一つ上の兄貴」のような存在だった朝岡監督からのオファーには「ぜひやらせてほしい」と即答。サッカー部員たちの自主自立の精神に学ぶことも多く、毎日が刺激的だと話す。

「生徒一人ひとりの性格を、表情や何気ない言葉から探りながら、『この子にはどのタイミングでどんな言葉をかけるべきか』『この子には、多くを伝えない方が伸びるだろう』などと考えて接しています。将来サッカー選手になる子もそうではない子も、市船で3年間やりきった経験が人生の糧になるようにサポートするのが私の仕事。これまでジョカーレで培ってきた経験をどうつなげられるのか、未知なる挑戦にわくわくしています」

船橋市立船橋高等学校式田コーチ

市船OBであり、現在ジョカーレフットボールクラブ代表と市立船橋高校コーチを務める式田高義さん

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