[高校サッカー 心を揺さぶる物語]離島にやってきた熱血コーチ-前篇-

[高校サッカー 心を揺さぶる物語]全国で本当にあった涙の青春ストーリーを紹介します

監修・執筆 安藤隆人| Photo by Editor|シリーズ:[高校サッカー 心を揺さぶる物語]

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■一緒にサッカーを楽しもう

「そうか! そうか! 入ってくれるか!! 一緒にサッカーを楽しもう!」

 テンションが上がったのか、さらにアイツの声が大きくなった。
 
 アイツの名前はケンジ。本来は「先生」と言わないといけないのだが、僕らと年齢が近いのもあって、サッカー部のみんなは「ケンジ」と呼んでいた。ケンジはコーチというよりは「サッカー仲間」という感じだった。
 
 僕らのサッカー部は、3学年合わせても20人程度しかいなかった。

 みんな練習を必死にやるわけではなくて、サッカー部にはのほほんとした雰囲気があった。部活にめったに来ない奴や、頻繁にサボる奴もいて、11対11の紅白戦もできなかった。
 
 ケンジはいつも練習場にスパイクを履いて現れた。僕らと一緒に練習に参加し、紅白戦でも一番ハッスルしたプレーを見せていた。

「この人は本当にサッカーが好きなんだな」

 ケンジと練習をしていくうちに、そのことがよくわかった。

「一緒にサッカーをしよう!」

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