[高校サッカー 心を揺さぶる物語]審判になった高校生-前篇-

[高校サッカー 心を揺さぶる物語]全国で本当にあった涙の青春ストーリーを紹介します

監修・執筆 安藤隆人| Photo by Editor|シリーズ:[高校サッカー 心を揺さぶる物語]

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■審判の道を目指す

 紹介してもらった県サッカー協会審判部長の先生は、さっそく僕を試合に起用してくれた。
 最初にアシスタントレフリーとしてついたのは、何とJリーグのチームの試合だった。

 Jリーグのチームがキャンプ中に、地元の大学生と行う練習試合だ。
 両チームの挨拶を終えると、僕は震える手でレフリーフラッグを持ちながら、タッチライン沿いに立った。

 プロのプレーは、さすがだった。
 今まで見たことのないスピードで選手たちは目の前を疾走する。

 身体と身体がぶつかり合う音が間近で聞こえる。
 審判として致命的なミスはなかったけれど、僕はタッチラインを上下動するだけで精いっぱいだった。

 試合後、主審の人から「サイドステップがうまいから、それは続けていこう」とほめられた。
 すごくうれしかった。

「審判としてがんばってみよう!」

 そう思った。

[後篇につづく]

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