9/18・神奈川県二回戦へ挑む麻布大附属。0-8の敗戦、レギュラー落ち…勝利を呼び込む「メンタル」を鍛えた挫折

9月11日(日)の「第95回全国高校サッカー選手権大会」の神奈川県大会2次予選会では、麻布大学附属と県立藤沢清流が対戦した

山本浩之| Photo by 山本浩之 Hiroyuki Yamamoto

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■前橋育英戦の8失点で学んだ粘り

麻布大学附属の主将・中村万優選手

 決定機を阻止された藤沢清流。そこにあった隙をついたと麻布大附属のキャプテンマークを巻く中村は言う。

「(清流は)PKに失敗したショックも大きかったと思いますが、うちに流れが傾いたのは、そのときのメンタル。一気に畳みかけられたのが良かったと思います。キーパーがPKを止めた流れからのカウンターになったので、(麻布大附属は)前を向いてボールを受けることができたし、清流にとっては戻りながらだったので守りにくかったと思います」

 中村が口にした「メンタル」という部分。麻布大附属にとって大きなポイントだったのではないだろうか。そこには“外した者”と“防いだ者”とは違った心理があったように思えた。

 ちょうど1週間前のこと。前橋育英との試合で麻布大附属は8失点を喫している。

「さすがに0-8はきつかったです。前半で5失点くらいしたんですよ。その時点で、自分も含めて、みんな(メンタルが)やられていたと思います」

 それまで淡々と話していた中村もここで苦笑いを浮かべた。

 敗戦後、指揮官に「最後の粘りが足りない」と指摘されたチームは、いつもはリカバリーにあてる月曜日と火曜日のオフを返上した。彼らが選手権までに取り戻さなければならなかったものはこれだ。

「気持ちの部分です。勝ちたいという思いです」

 中村は、そう言うと麻布大附属のサッカー部に入った頃の話しをしてくれた。

「中学は学校のサッカー部でした。部活だと、ちょっとトラップがずれたり、身体を張るところを頑張らなくても通用したので、そんなところは意識してプレーしたことはなかったんです。けれども高校は甘くなかった。通用しなかったので練習のときから意識して取り組むようになりました」

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