【連載 第3回】流経柏・本田裕一郎監督 INTERVIEW/なぜ高体連出身者は日本代表に招集され続けるのか

流通経済大学付属柏高等学校で、多くのプロ選手を育ててきた本田裕一郎監督の言葉を紹介

元川悦子| Photo by 村井詩都 Shidu Murai , Editor

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18歳くらいまでに戦えるメンタリティーを養う

流経柏の本田裕一郎監督

――戦える選手が高体連出身の選手に多いのは、そういう背景の違いなんでしょうか。

「ここ最近の日本代表を見ると、うまい選手の代表格は街クラブ出身の香川(真司=ドルトムント)。だけど、結果を出すのは高体連出身の本田(圭佑=ミラン)や岡崎(慎司=レスター)ですよね。見栄えは間違いなく香川の方がいいけど、本田や岡崎は泥臭くも、目に見えて頑張れる。光る原石を持っている人であっても、頑張り続ける人には絶対に敵いません。だからどちらか一方ではなく、両方を兼ね備えることなんです。

 日本サッカーをもっと強くしたいなら、18歳くらいまでに戦えるメンタリティーを養うことが非常に大切。選手は当然上手いことがいいのですが、それだけで判断すべきではないと思います。もう一つ言えば、武器を磨かせてあげることも意識してほしい。

 私も預かった選手には『17~18歳のうちに(自分の)売りを作れ。なんとなく上手い選手はたくさんいる。だから特徴を持つことが大事』と常日頃から言っていますけど、そういう考え方もより強く持ってほしいですね」

本田裕一郎(ほんだ・ゆういちろう)
1947年5月1日、静岡県生まれ。順天堂大学卒業後、千葉県市原市教育委員会を経て、75年に市原緑高校サッカー部監督に就任。その後、86年に習志野高校に転勤すると、95年にはインターハで初の全国制覇。2001年から流通経済大柏高校の監督を務め、07年には高円宮杯第18回全日本ユースサッカー選手権大会で全国優勝。翌年1月の第86回全国高校サッカー選手権大会、8月のインターハイも制し、見事3冠を達成した。これまでに宮澤ミシェル、広山望、福田健二、玉田圭司ら多くの個性あふれるプロ選手を育成している。

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