【高校サッカー選手権:秋田】悲願の全国一勝へ。2年連続42回出場の秋商が突きつめたパスワークで全国に挑む!

2年連続42回目の高校サッカー選手権出場を決めた秋田商業。伝統の走力は健在だが、特筆すべきは流麗なパスワークや個々のキック精度の高さである

小林健志| Photo by 小林健志 Takeshi Kobayashi

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監督が使い続けてくれた恩返し

秋田商業は磨き上げたサッカーで選手権初戦をものにできるか。 Photo by 小林健志 Takeshi Kobayashi

 駒野谷は「最近結果を出していなくて苦しい時期が続いていましたが、監督が使い続けてくれて恩返しをしようと思っていたところ、アシストという結果を出せて良かったです」とキャプテンとしての仕事を全うでき安堵していた。プレースキッカーとそれに合わせる選手たちは固い信頼関係で結ばれている。

 また3点目のフリーキックは、GK成田佳輝(1年)のロングフィードから相手のファウルを呼び込んだ。1年生ながらレギュラーに抜擢された成田はロングフィードの精度が高く、何度も前線で1トップとして体を張る加藤へ正確にボールを入れて、最後尾から攻撃の起点となる活躍を見せた。

 それでも「後半は風下で外にボールをつけようとしたら真ん中にボールが行ってしまいました」と課題を見つけてさらに精度を高めようとしている。フィードを受ける加藤も「佳輝はキック精度が高くて、毎試合自分をめがけて蹴れば良いと言っています。ほぼ競り勝てますし、彼のキックを信頼しています」と成田に絶大な信頼を見せる。ここでもまた出し手と受け手の固い信頼関係が見られる。

 秋田県勢は11年連続選手権で初戦敗退しているが、今年の秋田商はパスやプレースキックの出し手と受け手が固い絆で結ばれ、パスワークやセットプレーから次々とゴールを生み出す力がある。「ゴールに向かう迫力を見せ、ワンタッチツータッチでテンポ良く攻撃するのが得意」と駒野谷も自負する。

 秋田県勢12年ぶりの初戦突破はもちろん、大会で旋風を巻き起こす力を秘めたチームと言っても良いだろう。

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