【注目の選手権出場校】継承された知略と進化した姿。大分高校躍進のカギを握る司令塔・永松涼介とボランチ・神田尚輝

2011年の選手権では県勢初のベスト4となった大分高校。2年連続9回目、今年も全国の舞台に立つ。再び全国の舞台で躍進を狙うチームの姿とは

ひぐらしひなつ| Photo by ひぐらし ひなつ

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■中盤の優位性を支えるキーマンたちの役割

 司令塔として発揮する戦術眼は朴監督時代に身につけたという永松。今年2月の新人戦では4-3-3システムのアンカーとして出場し、攻撃時にトップ下の位置まで上がって数的優位の状況を作り出すという戦術のカギを握った。この日の練習でも瞬時にスペースを見極め、足元の技術を生かして決定的なパスを出すなど、そのセンスをきらめかせた。

「相手の背後にパスを出すタイミングや、足のどの部分で出すかといった細かいところを、朴先生から教わってきました。自分だったらインサイドで出すパスを、アウトサイドならワンテンポ早く出せる。そのワンテンポでプレースピードはがらりと変わるんですよね」

 昨年は中盤で出場した山本光彦が、川崎監督の采配では最前列にポジションを変え、チームの攻撃力向上に貢献している。その山本にパスを送る永松は「(山本は)収まりがいいので一度当ててから前に出ていくことが出来る」と、決定機演出の手応えを口にした。

 永松が「中盤の底にいるとチームが安定する」と信頼を寄せるのが、もう一人のキーマンである神田だ。元はFWを本職としていたが、中学時代に国体少年男子チームでアンカーとして起用されたのを機に、ボランチや最終ラインで展開力を生かすようになった。

 チームは高い攻撃力を見せつけて県予選を勝ち抜いてきたが、それを支えているのは神田の仕事だと川崎監督は評価する。

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