【高校サッカー選手権ストーリー】富山第一FW・本村比呂が掲げた父への誓い

高校サッカー選手権における富山第一FW・本村比呂のストーリーを伝える

舩木渉| Photo by Editor

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■サッカーをやめようとした日

 母・明子さんは当時の息子の様子をよく覚えていた。

「ショックでお父さんのそばからずっと離れなくて、一時期はサッカーから離れたい、何もしたくない、学校も行きたくないという感じでした」

 それでも年が明けて学校へ行けるようになると、徐々に日常生活を取り戻していく。心に大きな穴の空いたストライカーを周囲のあたたかさ、とりわけ本村が「本当のお父さんのよう」と語る大塚一朗監督の存在が救った。

 愛する父を失った本村はサッカーをやめようとしていた。それを見かねた大塚監督は「ここでやめても意味がない。お父さんはそれを望んでいない」と言葉をかけたという。その一言がプレーを続ける原動力に変わった。

 父・昌夫さんは職場で「息子はプロになる」と周囲に話していた。進学先の高校を選ぶ時も息子に「サッカーをやるんだったら中途半端に強いチームではなく、本当に強い、全国優勝を狙えるようなチームに行け」と助言していた。

 決して恵まれた環境とは言えない中でも懸命に努力し、成長する息子にかける期待は大きかった。大塚監督の言葉でそんな父の思いを心に刻んだ本村は、小学生の頃から目標としていたプロサッカー選手になるため再び走り出す。

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