６月22日、NACK5スタジアム大宮で平成28年全国高等学校総合体育大会埼玉県決勝が開催された。埼玉県は出場校二枠が与えられており、19日に行なわれた準決勝に勝った昌平と聖望学園は全国大会出場権を獲得している。ただインターハイの全国舞台は二校ともに初出場、さらにインターハイ埼玉県大会では初優勝を目指す高校同士の一戦となった。

　決勝戦は終始予想を超える展開を続けた。内容は両校合わせて９ゴールが生まれる打ち合いとなり、さらに公式記録による発表では合計37本のシュートが放たれていた。

　前半6分、先制ゴールは昌平。ディフェンスを振り切って、やや遠めから「相手のラインが高いのはわかっていたので、キーパーをみて打ちました」と右足を振り抜いた9番・本間椋のオープニングシュートがゴールネットを揺す。ファーストゴールから5分後、前半11分に今度は聖望がゲームを振り出しに戻した。左サイドをドリブルで縦にぬけた11番・キーアンソニーカズからクロスが入り、昌平GKの1番・緑川光希が一度ははじく。さらにこれを8番・星野蒼馬が拾ったが、ここでも緑川が前に飛び出してシュートを打たせなかった。それでも最後はボールが9番・岡本拓城のもとにこぼれ、ふりむきざまに右足でシュートを放つと同点ゴールが決まる。

　開始直後の得点をきっかけに試合は互いに攻め合う展開。失点直後、外れはしたものの昌平はすぐさまシュートカウンターから本間がシュートを放つ、一方の聖望も10番・高木友之を中心にシュートチャンスをつくり、めまぐるしくシュートシーンが生まれていく。

　前半、徐々に相手を圧倒していったのは昌平。前半21分、ここでも本間が左サイドで起点をつくり、ドリブルからクロスボールを入れる。これはDFにカットされたが、こぼれ球を拾った10番・松本泰志が左足で狙いすましたシュートを決めて追加点を奪った。

　さらに昌平が点差を広げていく。前半31分、6番・新垣理生が中盤でボールをカットすると、再び本間がからむ。「泰志が呼んでいたので、ピッチもスリッピーだから弱めに蹴りました」とつなぎ、最後は10番・松本が正確なキックから得点。前半40分、またもやドリブルで左サイドを破った本間が放ったグラウンダーのクロスに、逆サイドから走り込んだ8番・星野蒼馬が合わせる。

　４－１。昌平が一気に３点差をつけて前半が終了した。