東福岡にジャイアントキリング! 昌平・本間椋、松本泰志の活躍で三回戦進出!

名が轟き大会3年連続優勝を目指す王者に対して、インハイ初出場となる挑戦者。東福岡と昌平戦のマッチレポート

編集部| Photo by 西田泰輔 Taisuke nishida

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昌平の9番・本間椋選手と12番・篠山立選手 Photo by Taisuke nishida

 名が轟き大会3年連続優勝を目指す王者に対して、インハイ初出場となる挑戦者。ただ東福岡と昌平の実績を比べることは無意味だ。ともに夏の頂点を目指す両校の選手たちの試合は観る者に様々な驚きを与える内容だった。

 様子を伺うようにゆっくりとはじまった試合ながら、ボールを回すなかで、昌平が10番・松本泰志選手のオープニングシュートで攻撃の口火をきる。次は東福岡が左サイドの攻撃から、センターフォワードの位置にいた10番・藤川虎太朗選手に預け、第一シュートを放ち仕掛けた。開始まもなくの3分、またも左サイドから放たれたクロスは藤川のもとへ。密集のなかで振りぬいたシュートはゴールキーパーに触れられながらもゴールに決まった。

 早々の失点ながら淡々とプレーする昌平。左サイドで松本選手が起点となり15番・塩野碧斗選手がオーバラップを仕掛け、クロスボールを放つなど、決して守備にはまわらず果敢にサイドを攻略していく。サイドアタックを得意とし、高校年代屈指とも言える攻撃力の東福岡に対して、DFはひるむことなく1対1で真っ向勝負を挑んだ。

 しかし序盤を過ぎるとピッチをサイドいっぱいに使って、はやい長短をおりまぜた東福岡のサイドチェンジに昌平も我慢強く対応せざるおえない場面が続いた。これには昌平のボランチを務める6番・新垣理生選手も「サイドに走らされるのでキツかったのはたしかですね」と話す。ただ一方で「その都度対応していけば、やれるという感覚はありました」と試合のなかで確かな手応えを話していた。

 それでも鋭いシュートも飛ぶ。東福岡の7番・青木駿選手の強烈なミドルシュートはゴールをかすめ、先制ゴールの藤川選手が放つシュートは昌平の1番でGの緑川光希選手が防ぐなど、ゴール前では終始攻防が展開されていた。

 前半、昌平の最大のチャンスは20分頃。松本選手が中央でパスを受けて放ったスルーパスは9番・本間椋選手に渡る。DFの間で駆け引きして、一瞬でGKとの1対1となったが、東福岡のGK・前島正弥選手の飛び出しが同点を阻止する。前半、お互いにチャンスをつくるものの、この試合「2点目」は生まれなかった。

 後半に入って先手をとったのは昌平だった。右サイドからのクロスに松本選手のシュートのこぼれを「いつもこぼれ球は狙っている」という本間選手が押し込んで試合を振り出しに戻す。

 さらに勢いにのった昌平が東福岡を攻め立てていく。パスワークからゴール前に侵入した本間選手がエリア内で倒されてPKを獲得。松本選手がこれを蹴り込み、2-1とリードに成功。

 ただ東福岡も途中出場の9番・藤井一輝選手、13番・濱田照平選手らを中心に攻める勢いは増していった。そして後半65分、東福岡が右サイドのペナルティーエリアのすぐ外でフリーキックを獲得。これを藤川選手が真っ直ぐにファーサイドにボールを入れると、3番・小田逸稀選手がヘディングを叩き込み、さらに終了間際で同点とした。

 試合は徐々にPKへとむかうなかで、左サイドでコーナーキックを獲得した昌平は7番・針谷岳晃選手が右足で放った球は、インフロント気味の回転でファーポストに直撃してそのままゴール。

 試合70+4分を刻んで、そのままタイムアップ。昌平が東福岡を破り、三回戦に出場を決めた。

「ドリブル、ショートやロングパスといった、うちの良さが出せた試合だったと思います」と語る昌平・藤島崇由之監督。標ぼうするサッカーを展開して勝利した。

 ただすべてはキャプテン・新垣の言葉にある。「僕たちは優勝を目的にしています。まだ三回戦なので気を引き締めてやらないといけない」。昌平に慢心はない。初挑戦でどこまでかけあがれるか。ジャイアントキリングを巻き起こした埼玉代表が三回戦に挑む。

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