【インハイベスト16ハイライト:市立船橋×鹿児島城西】史上最多V9に視界良好の市立船橋、3回戦は鹿児島城西に完勝!

全国高校総体サッカー競技は29日に3回戦を行い、前回準優勝の市立船橋高校は、2-0で鹿児島城西高校を下して準々決勝進出を決めた

平野貴也| Photo by Takaya Hirano

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選手層が厚く各ポジションにスペシャリストが揃う市立船橋イレブン Photo by Takaya Hirano

 圧倒的に強い。全国高校総体サッカー競技は29日に3回戦を行い、前回準優勝の市立船橋高校(千葉第2)は、2-0で鹿児島城西高校(鹿児島)を下して準々決勝進出を決めた。初戦から3回戦まで、一方的に主導権を握る内容でベスト8まで勝ち上がり、史上最多9度目の優勝が見えて来た。

 1回戦では秋田商業高校(秋田)に3-0、2回戦は前回4強の関東第一高校(東京第1)に1-0で勝利。いずれも1年生ルーキー郡司篤也の得点だった。しかし、3回戦では力みが出て不発。代わりに3年生がきっちりと結果を残した。

 試合は、市立船橋がいきなり先制パンチを見舞う格好でスタートした。前半2分、左コーナーキックを得ると、U-17日本代表DF桧山悠也のキックは中央の空中戦の競り合いを通り越してファーサイドへ飛び、待ち受けたDF原輝綺が右足ボレーで合わせて先制ゴールを奪った。鹿児島城西のU-16日本代表候補DF生駒仁は「マークに付き切れないうちにやられてしまった」と立ち上がりの失点を悔やんだ。元々、鹿児島城西が立てていたプランは、前半は自陣にブロックを築いて耐えてカウンターを狙うというもの。

 しかし、いきなり先制されたことでプランが狂い始めた。市立船橋は1点で攻め手を休めず、巧みなビルドアップから人数をかけて猛攻。

 両サイドDFが高い位置に張り出し、長身FW村上弘有を最前線に置き、その合間に郡司らツーシャドーが入り込むスタイルで、相手ブロックの隙間を見事に突いた。鹿児島城西もMF松本順也のミドルシュートがクロスバーをたたく場面があり、ボールを持てば特徴を発揮できそうな場面が多かったが、いかんせん相手ボールを奪えなかった。

 市立船橋は前半28分に阿久津諒、同30分と32分に郡司と決定機を迎えたが決め切れず。追加点が生まれたのは、前半終了間際。相手がクリアを躊躇した場面で右DF真瀬拓海がプレッシャーをかけてボールを奪い、MF西羽拓を経由した後で真瀬がクロスを送り、最後は中央で待ち受けた村上がゴール。

 村上は「先制した後にカウンターをもらう場面もあったので、もう1点取れれば楽に試合を運べるかなと思っていた。真瀬が頑張ってくれれば、こぼれて来ると思った。最初はダイレクトで打とうと思ったけど、足下に入り過ぎたので、ずらしてから打った。良い形で取れて良かった。ここまで(1年生の)郡司しか取っていなかったので、マズイなと思っていた」と話し、言葉に3年生の意地をにじませた。

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