夏に取り戻した「流通経済大柏」らしさ、再び蘇った激しいプレスサッカー

インターハイ決勝・市立船橋VS流通経済大柏の一戦。立ち上がりから持ち味を発揮したのは、流通経済大柏の方だった

安藤隆人| Photo by by 村井詩都 Shidu Murai

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一戦一戦、本気で体現する

蘇った『流通経済大柏らしい』激しいプレスサッカー Photo by Shidu Murai

 県内のライバルに敗れての準優勝。彼らにとってこんな悔しい敗戦はないだろう。だが、ここで掴んだものは計り知れないほど大きかった。

「今大会の目標は2つあった。自分達の長所で勝負しようと。せっかく全国大会に出たのに、長所で勝負出来ないのはもったいない。もう一つは積極的にプレーすること。流通経済大柏と言えば、激しいプレス。それが自分達の長所なのだから、やるべきことは徹底して、自分達の良さを前面に出そうと常に言って来た」(榎本雅大監督代行)。

 今年のチームは苦しいスタートだった。プレミアイーストでは開幕から7戦勝ち無しで最下位。第8節の柏U-18戦で初勝利を挙げるも、第9節の市船戦では0−1の敗戦。

 だからこそ、今大会は優勝を目指すと言う前に、長所を前面に出して戦うことで、自分達の信念をより太くし、チームとしての自信をつけることが大きなテーマだった。

 そのテーマを選手たちが一戦一戦、本気で体現したからこそ、決勝に進出し、敗れはしたが市立船橋をギリギリまで苦しめた。

「迫力が出て来て、ようやくウチっぽくなって来たなと感じます。これまでは幼さと言うか、経験不足の面もあって、プレミアで最後に失点して負ける試合もあった。でも、今はそれがなくなって、こうして決勝まで来たのは彼らの成長」

 本田裕一郎監督不在の中、榎本監督代行を中心に抜群のまとまりと、『流通経済大柏らしい』激しいプレスサッカーを披露した彼ら。

 ストロングポイントを前面に出したサッカーは、今後のプレミア、選手権予選でも猛威を振るうことは間違いないだろう。広島の地は、そのリスタートの場となった。

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