彼の意識の中には常に高と杉岡の存在があった。1年時から注目を集める高と、2年時から守備の要として存在感を放った杉岡。それと比べると、出遅れている自分がいた。

「2人には負けたくはない。でも学ぶべきこともあるし、刺激を凄く受けた」と、2人を尊敬しながらも、自分に負けない武器を磨き続けた。彼の武器は高い守備力と状況判断の良さ。研ぎ澄まされた危機察知能力を持ち、全体のカバーリングも司る。

　シュートブロックもうまい。地味だが要所を締めるプレーに、杉岡を視察するJクラブスカウトからも目を引く存在になっていった。

　朝岡隆蔵監督も「目立つのは杉岡だけど、原の存在は物凄く大きい。『ここにいて欲しい』というところに必ずいる」と評するように、いぶし銀の力を持つ彼は、新潟入団を掴みとった。