『オリジナル20』の一角がむかえた転換期とは。流通経済大柏が再び最高峰に登る日。
プレミアイースト第16節・流通経済大柏は、残り2節で来季のプリンスリーグ関東降格が決定した。千葉の強豪はここからどのように這い上がるのか。
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来年の中核を担う存在、2年生MFの菊地泰智
Photo by 崎村太亮(l・sports photo)
試合後、2年生MF菊地泰智が肩を落としてこう語ったように、全体がはっきりとゴールに向かっていない状態のまま終わってしまった。この新潟戦の内容、出来が今年のチームの状態を如実に表していた。
勝ちきれない――。
決して力が無い訳ではない。インターハイ準優勝で高い実力を示し、インターハイ決勝、そして選手権千葉県予選決勝でのライバル・市立船橋の戦いも、チャンスを多く作り、勝てるチャンスは十分にあった。それはプレミアでも同じで、内容で上回る試合もあった。しかし、どれも結果に繋がらなかった。
「選手たちは頑張ってくれたと思う。でも、結果が出なかったのは、私たちの責任でもある。もっとフィジカル面で群を抜いて行かないといけないし、来年は選手、我々スタッフも含めて、さらに積み上げて行かないといけないということだと思う」
本田裕一郎監督は悔しさを押し殺しながらも、冷静に現状を見つめ、言葉を紡いだ。2000年から本田監督が就任し、急速に力をつけ、インターハイ優勝1回、準優勝2回、選手権優勝1回、そして2013年には高体連チームとしてプレミアイースト初制覇、チャンピオンシップ初制覇を成し遂げるなど、今やユース年代トップレベルの強豪校にまで成長をした流通経済大柏。成長を続けたチームは、今、過渡期を迎えようとしている。
「プレミア初年度から参加をして6年間。正直、『いつか来るだろう』と思っていた。これまでのチームを見て来ても、一度落ちたらなかなか上がれないことは分かっている。正直、複雑な想いはあるが、もう決まった以上、ここから巻き返して行くしかない」(本田監督)
発足時からリーグに所属する『オリジナル20』の看板は、ここで一度外さなければいけないこととなった。しかし、捲土重来の覚悟を固めた名将と共に、新たなリスタートを切ったチームは、この屈辱を力に変える作業をすでに始めようとしている。将来、この日の出来事がチームの歴史をさらに色濃くさせた重要な転換期だったということを証明するために。