初出場で快進撃を続ける昌平。得点を決めた10番・松本泰志選手 Photo by Masayoshi Morita

　7月31日（日）、平成28年度全国高等学校総合体育大会（インハイ）の準々決勝、昌平対静岡学園の試合が広島広域公園第一球技場で開催された。

　両者、序盤から高い技術力を活かしたポゼッションスタイルを全面に押し出した戦いを披露したが、相手ゴール前を崩しきれず試合を動かせないまま時間が進んでいく。試合の潮目が変わったのは前半34分。自陣から大きく相手陣内に蹴りだしたボールにFW9番・本間椋選手が反応。

「最初はカットインを狙っていたけど、監督から『お前は縦だろ』と言われたので、思い切り仕掛けた」と勢いよく抜け出した所を静岡学園のDFに倒された。このプレーで静岡学園のDFが退場し、1人多い状況となった昌平は後半に入り、司令塔のMF7番・針谷岳晃選手に自由が生まれ、持ち味のスルーパスが効力を増す。

　試合が動いたのは後半15分。中盤でボールを持った針谷が左中間のMF10番・松本泰志選手へと預け、ドリブルでの前進から中央の本間へと繋ぐ。ボールを受けた本間がドリブルで相手マークを引き付けると、PA左に再び展開。ラストは走り込んだ松本が冷静にゴール右上を射抜き先制した。

　試合終盤は同点を狙いに出た静岡学園に押し込まれたが、DF17番・関根浩平選手のファインクリアもあり、逃げ切りに成功。初出場ながら4強入りを掴んだ藤島崇之監督は「最後は気持ちで押し込まれてしまったのが残念だけど、失点ゼロで抑えた粘りは評価したい」と口にした。