――再び黄金期をつくっていきたい――。こと針谷選手にしてみれば技術が高い。それではフィジカルの面ではどのような鍛え方をしていきたいでしょうか。

「フィジカルにしてみても必要なところと、不必要なところがあります。高さは無理なので、身体を強くするとは言ってもそこまで強くしなくても、効果的にプレーできる選手はいます。すべてフィジカルに頼るのではなく、それよりはそれ以上の判断のスピードや足の速さといった面を上げていけばいいわけです。“フィジカル、フィジカル”といった方針をうちは第一に優先しているわけではないので。考える速度がある、判断ができる、みることのできる選手を評価します」

――かつて服部強化部長はプレーヤーとしてジュビロ磐田の黄金期を支え、日本代表で活躍した選手。そんな服部さんから見て、いまのU-18年代に対して評価する部分と逆に物足りない部分についてどのように感じますか。

「技術的なところはまずしっかりとできているので評価できるところ。あとは先ほどの話ではないですが、“考える、判断する”という部分ができる子とできない子にかなりハッキリと分かれているように感じます。いろいろな高校や大学のサッカーを観にいってみて、自分の意思やイメージをどれくらい持てているのか。判断も何をもとにして判断をしているのか。どういう時に判断を変えないといけないのか。それが指導者の現場でも教えにくい部分で、それができているか、できていないかはすぐに分かるんです。針谷選手で言えば、それはもうできている。そこに関して言えば教えることはありません。前も言った通り、それこそお話に出たように“フィジカルが”というところだけというイメージもあります。ただうちはそこにフォーカスしてトレーニングするわけではない。だったら当たらないように速いスピードや判断力を育てていきたい」