[AFC U-16選手権インド2016メンバー発表記者会見] 森山佳郎U-16日本代表監督コメント

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■久保にあまり多くを期待しないであげてください

――久保に期待することはありますか?
「あまり多くを期待しないであげてください(笑)。まだ彼は15歳になったばかりなので、日本の期待を背負う存在にするのはどうかと思います。これまでも『釜本(邦茂)さん二世』とか、騒がれてつぶれた選手はたくさんいます。
 彼でも、インターナショナルドリームカップのマリ戦では思うようにボールを持たせてもらえませんでした。彼ですら、2チャンネルで叩かれたりしていたようですね。本人はそれを見たのか、気丈に『俺ディスられてますよ』と言っていましたが。結構きついと思うんです。だからこそあまり多くを期待しないでほしい。
 他の選手もいい選手はいっぱいいるので、同じようにみんなに期待してほしい。ただ久保はゴール前のアイデアがあるので、それを周りの個性と融合させてお互いに活かし合えればいいと思います」

――FIFA U-17ワールドカップ2017出場をかけて戦う上で何を選手に伝えたいですか?
「誰もが初戦が大事なことを分かっています。実は一度ベトナムとは対戦しています。前半から相手が積極的にガンガン奪いに来て、こちらは消極的な横パス、バックパスをさらわれて失点して0‐2。僕が今まで代表監督をやってきた中で一番怒った試合です。
 細かい技術だとか、ポジショニングではないんです。相手は積極的にやっていて、こちらは消極的にやっていただけなんです。それでとにかく積極的にやりなさいと優しく言ったんですが、それだけで3‐2にひっくり返えしました。そういう部分。積極的にいくだけでも変わるんです。とにかく初戦・ベトナム戦は消極的になったり、固くなって動けなったり、それだけはならないようにしたい。絶対に緊張するし、固くなる。一方で相手も緊張するわけで、そうしたら積極的に思い切って、やったことを全部出し切る。
 試合が終わった瞬間は、へたり込むくらい走る。やるだけやって、それでも勝てなかったら監督の責任。選手は余計なことを考えないで自分のやるべきことをやって、悔いの残らないように、全力を出し切らせる。それが僕の仕事かなと思っています」

――この大会の意義をどう考えていますか?
「将来、地道に一段ずつ階段を登るかもしれない。または一足飛びに成長するかもしれない。どちらにせよ、FIFA U-17ワールドカップ2017に出場し、そこで世界を相手に真剣勝負をし、厳しい経験をすることで先々の五輪やワールドカップに余裕を持って挑めるようになると思います。昨日のUAEの選手は、アンダー世代で世界のベスト4になった選手たち。
 やはり何人かの選手は堂々とした戦いをしていました。そういう場所で自信を持って戦えるようになるにはそういう経験が非常に重要だと思いました。それに、ここで負ければ、今のところ残念ながら継続した強化が取れなくなると思っています。ターゲットとなる年代が負けたら、この代の活動は尻すぼみになってしまう。
 最初に申し上げました通り、まだ出てきていない晩熟型の大物選手をまだ1年間は待たないといけない。今回最終予選に行けなかった選手たちが、また1年後にU-17ワールドカップという目標があれば、そこに向けて頑張り、また切磋琢磨が生まれ、ヨーロッパや南米、アフリカといった遠征を体験できる。貴重な機会が負けてしまえば、著しく減ってしまう。本当は負けてもしないといけないと思うんですが、まだそういう形になっていない。だからこそ、絶対に勝ってU-17ワールドカップに行くための準備の時期に、この年代より一つ下の選手がまた出てこられるようにしたいと思います。2学年の成長速度を早める機会が、勝つことで準備される。選手に成長の加速を常に要求しているので、こちらも機会を準備してあげることが本当に重要ではないかと思います」

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