【高校サッカー選手権】王者に挑む大阪代表・東海大仰星の力とは何か。信頼がつないだゴール

3日(火)、大阪代表の東海大仰星が準々決勝進出を決めた。次なる相手は昨年度王者の東福岡である。二回戦の試合をもとに同校の全員サッカーをひも解いていく

舩木渉| Photo by Editor

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■チーム全体のポジティブな雰囲気

 もちろん常に全力でプレーし、サッカーに真摯に向き合う姿はチームメイトたちにも伝わっていた。キャプテンの松井修二は「(骨折は)すごく悔しかったとおもうんですけど、怪我を乗り越えてこの選手権で出てやろうという気持ちは毎日の練習で見えていた。試合に出て、今日活躍してくれたので良かった」と同期の復帰と活躍を喜ぶ。

 東海大仰星は1回戦の藤枝明誠戦で退場者を出し、主力を1人起用できない中で2回戦を迎えた。スタメンを入れ替え、試合の中でも状況に応じて交代やポジション変更などを駆使しながら苦境を乗り越え、チーム全体がポジティブな雰囲気に包まれている。

 ピッチ内だけでなく、観客席で応援するメンバー外の選手や試合のたびに大阪から通ってきているブラスバンド、保護者、卒業生……あらゆる人々を巻き込んだ、まさに総力戦だ。

 見野のインタビューでの発言を聞いていた松山は「あいつが走ってきてくれて決まったゴールなので、あいつのゴールですよ」と謙遜する。シュートチャンスがあったにもかかわらず、チームの勝利の事を考えてよりゴールの可能性が高いパスを選択した。次こそは公式戦での初ゴールを狙っている。

 東海大仰星に1人で試合を決定づけるようなスーパースターはいない。日替わりヒーローが生まれてこそチームがうまくいっている証拠だ。三回戦でも富山第一を破り準々決勝進出を決めている。次の試合では誰がゴールを決めて輝くのか、ワクワクが止まらない。

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