青森山田GK廣末陸とコーチの絆とは。プロへ羽ばたく高校No.1守護神
青森山田のGK廣末陸はGKコーチである大久保隆一郎氏のもとで成長した。栄冠を手にするまでの努力の日々を振り返る
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■3年間の努力の積み重ね
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自身も青森山田のOBで、大学卒業後すぐに母校へ戻って指導を始めて6年目。大久保コーチは指導者としてだけでなく、付属の中学では教員として生徒の前に立ち、高校サッカー部のバスドライバーや映像分析など、何役もこなせる。青森山田の選手権初優勝を縁の下から支えた影の立役者だ。
そんな姿を最も近くで見ていたのが廣末だった。「僕たちが知らないところで相当な苦労をしている」ことをいつも気にかけていたという。早朝6時からの練習に顔を出し、6時間目まで授業を担当した後、遅れてチームの練習に顔を出し、その後にスカウティング用の映像編集や資料作成、そのままバスを運転して遠征に出発ということもあったという。
青森から東京まで1人でバスを運転することもあった大久保コーチは、廣末らの感謝の気持ちを言葉でない形で受け取っていた。選手たちがバスに乗る時、栄養ドリンクを差し入れしてくれたことなど日頃の小さな気遣いの積み重ねが大久保コーチの心に刻まれている。
ピッチ上でも2人はともに試行錯誤しながらお互いを高め合ってきた。廣末が世代別日本代表の合宿から帰ってくれば、そこで実践されたメニューを紐解いて青森山田の練習に取り入れたこともあった。そういった3年間の努力の積み重ねが最高の結果につながった。