[PICK UP MATCH]”創英スタイル”で横浜創英が県頂上決戦を制す! 全国高等学校総合体育大会 神奈川県決勝レビュー!
6月19日(日)、等々力陸上競技場で、全国高等学校総合体育大会 神奈川県決勝が行なわれた。決勝戦に駒を進めたのは横浜創英と慶應義塾の二校。
スポンサーリンク 両校ともにシュートシーンをつくるものの、前半先制点以降はともに枠をとらえることができず、後半へ折り返すこととなった。
後半5分過ぎ、慶應は松島選手に代わって3番・周藤悠高選手、小関選手に代わって17番・田中秀磨選手をメンバーチェンジで送り出す。周藤選手は力強く、田中選手はテクニカルに、それぞれ縦への推進力を武器に創英ゴールに迫っていく。さらに12番・赤坂凛太郎選手に代えて5番・板倉正明選手を投入し、攻撃の鋭さは増し、ペースもアップしていった。
流れが変わりかけたのは63分付近、ゴール前でボールを受けた創英の伊藤選手が倒されてPKを獲得。キャプテンの市原選手がセットしてゴール右へと蹴るも、これを慶應の1番・三浦優介選手がボールをはじいて見事にセーブした。押し込む時間が続いていた慶應がペースを握るかに思われたが、「数ヶ月くらい得点から遠ざかっていたのでチームに迷惑かけていた」という7番・住田智樹選手が左サイドを持ち味のドリブルで鮮やかに突き崩して、ゴール前に侵入するとゴールに向かって力強く蹴り込んだ。
さらに試合が進む中、83分に再び住田選手。「中にどんどん仕掛けていけと言われていた」という教えを体現するように、相手ディフェンスラインのあがった一瞬、創英の中盤からでたスルーパスに反応して、「GKにニアを切られていました」という場面で、冷静にGKの動きを見極めて逆サイドに右足でゴールに流し込んだ。試合終了間際に、3-0として創英が神奈川県大会の初優勝を手にした。
試合後、サッカー部の監督を務めて10年目、創英の宮澤崇史監督は開口一番こう笑った。「今日の試合に臨むにあたって、準決勝で母校(桐光学園)と対戦しました。桐光の監督(鈴木勝大)とは同級生で、現役時代にはダブルボランチを組んでいました。昔から仲の良い間柄で、関東予選で我々は慶應さんに負けていて、彼からも『二回同じ相手に負けるなよ』と気持ちのこもった言葉をもらいました。それに僕らは桐光の分まで背負って恩返しをしないと、というプレッシャーがありましたね」
続けて、「ボールを丁寧に扱うサッカー、ボールを保持して、攻撃するのが一番楽しい。どうせなら楽しいサッカーをしよう」という教えから育まれたサッカーが「創英スタイル」だと宮澤監督は話してくれた。