[高校サッカー 心を揺さぶる物語]僕らの声は届いたか-後篇-

[高校サッカー 心を揺さぶる物語]全国で本当にあった涙の青春ストーリーを紹介します

監修・執筆 安藤隆人| Photo by Editor

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■グラウンドでの奇跡の再会

 それから半年くらいたったある日のことだった。
 僕は高校を卒業し、高校と同じ系列の大学でサッカー部に入っていた。

 いつものようにグラウンドに行き、ピッチサイドの日陰で座って、スパイクのひもを結んでいた。
 ブロロロ……。

 見慣れない一台の車がグラウンドの脇にとまった。

「誰だろう?」

 ジッと車を見ていると、ひとりの男性が車から降りてきた。

「まさか……」

 そう思ってよく見てみると、車から降りてきた人物は、その「まさか」だった。
 ぎこちない歩き方だけど、明らかにそうだ。

 涙がこみ上げてきた。
 こんな日が来るなんて……。

 車から降りてきた人物は、有村さんだった。
 肩にリュックを背負い、少し足を引きずりながら、ゆっくりとこっちに向かって歩いてくる。

 僕はすぐに立ち上がって、有村さんに駆け寄った。

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