[高校サッカー 心を揺さぶる物語]155cmのゴールキーパー-前篇-
[高校サッカー 心を揺さぶる物語]全国で本当にあった涙の青春ストーリーを紹介します
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■もし身長が高かったら……
僕の身長は155cmしかない。
特に「あの場所」に立つと、周りの人は僕の身長が低いことを感じる。みんながそう思うはずだ。
もし、僕の身長が190cm以上あったら……、いや贅沢は言わない、170cmでもいい。そうだったら、どんな人生になっていたのだろう。こんなこと言ったって仕方がないことはわかっているけど、ふと、そう思うときがある。
でも、そう思ったときの「答え」は、僕の中で決まっているんだ。
僕が「あの場所」に初めて立ったのは、小学4年生のときだった。
近所に住んでいたいとこの影響で、「僕もサッカーをやりたい」と親に駄々をこねて、2年生からサッカーを始めた。
ずっとフィールドプレーヤーだったけど、ある試合でゴールキーパーをやっていた上級生が休んでしまった。すると、監督は僕にこう言った。
「ゴールキーパーをやってみろ!」
言われるがままに、僕はゴールマウスに立った。
遊びでゴールキーパーの真似ごとをしたことはあるけど、何しろ試合でのぶっつけ本番。すごく緊張して、後ろのゴールばかりを気にしていた。自分がミスをすれば、それがチームの失点につながる。こんなにゴールキーパーに責任がのしかかるとは思ってなかった。