[高校サッカー 心を揺さぶる物語]155cmのゴールキーパー-後篇-
[高校サッカー 心を揺さぶる物語]全国で本当にあった涙の青春ストーリーを紹介します
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■「お前がNo.1ゴールキーパーだ!」
そして、僕は高校3年生になった。
僕らの代は本当に仲が良かった。僕に対しても絶大な信頼を置いてくれたし、みんなが体を張って僕と共にゴールを守ってくれた。
僕一人でゴールを守っているわけじゃない。みんなで守っている。
大事な試合になると、僕が巻くテーピングにチームメイトが寄せ書きをしてくれた。
「お前がNo.1ゴールキーパーだ!」
何よりも心強かった。
最後の選手権には絶対に出たかった。
昨年、僕はあの舞台に立って、大きな経験を手にした。もう一度、あの興奮を味わいたい。そう心に決めていた。
僕らは県予選に挑み、決勝までコマを進めた。
対戦相手は、昨年と同様あの強豪校だった。
前半、僕らは先制点をあげて、1‐0でハーフタイムを迎えた。
僕らには昨年勝ったことによる慢心があったのかもしれない。ここからリベンジを誓う相手の執念に飲み込まれてしまった。
相手の攻撃を防ぐだけで精いっぱいで、いつ点をとられてもおかしくない状況が続いた。
1‐0のままで迎えた試合終盤、ゴール前の混戦からシュートを打たれた。
一瞬ボールが味方に隠れて見えなくなったことで、反応が遅れた。ボールは僕の手の先を通過し、ゴールネットに吸い込まれた。
1‐1の同点になった。
試合は2年連続で延長戦にもつれ込んだ。