9/18・神奈川県二回戦へ挑む麻布大附属。0-8の敗戦、レギュラー落ち…勝利を呼び込む「メンタル」を鍛えた挫折

9月11日(日)の「第95回全国高校サッカー選手権大会」の神奈川県大会2次予選会では、麻布大学附属と県立藤沢清流が対戦した

山本浩之| Photo by 山本浩之 Hiroyuki Yamamoto

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■麻布大附属に勝利を呼び込んだメンタルとは

得点に応援団とともに喜ぶ麻布大学附属

 9月11日(日)の「第95回全国高校サッカー選手権大会」の神奈川県大会2次予選会では、麻布大学附属と県立藤沢清流が対戦した。拮抗した試合の勝敗を左右したのは藤沢清流のペナルティーキックだった。勝者となったのはPKを与えてしまった側の麻布大附属。キャプテンの中村万優とゴールマウスを守っていた石井涼平に話を聞いた。

 麻布大附属のゴールネットが揺れた。藤沢清流イレブンが喜びに向かおうとしたところを主審は押しとどめた。前半を1対1で折り返し、迎えた後半も、まもなく3分の1が過ぎようとしていたときのことだった。麻布大附属のゴールキーパー・石井涼平はこう回想する。

「(清流の選手が)倒れたのはペナルティーエリアの外だと思ったので壁を作ろうとしてたんです。でも、PKだってことで、もう止めるしかないなって感じだったですね。一度は決められちゃったんですけど、清流の選手がキッカーの蹴る前にペナルティーエリアに入ってたから、それでやり直しになったんです。キッカーの心理としては、2回目は蹴りにくいって聞いたことがあったので、それでコースも変えてくるなと思った。同じコースには蹴らないと思ったんです」

 だから石井が飛んだのは1回目のときと同じ右だった。

「あたってくれました!」。石井の弾いたボールは詰めてきた清流の選手によってふたたび蹴り込まれるが、ボールはしっかりと腕の中へと収まった。その直後に麻布大附属は右サイドからボールを持ち込んだ2番・岡田悠人が、9番・中村万優の開けたスペースを利用してボールを受け直すと右足でゴールに蹴り込んだ。これが決勝点となる。

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