[高校サッカー 心を揺さぶる物語]離島にやってきた熱血コーチ-後篇-
[高校サッカー 心を揺さぶる物語]全国で本当にあった涙の青春ストーリーを紹介します
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■ケンジは大学までプロの選手を目指していた
すべての高校サッカー部員の憧れである国立競技場。そこに全国の四強の一角として、ケンジが立っている。
全身に震えが走った。
それと同時に、ある思いが僕の心を支配した。
「ケンジ、本当は辛かったのかもしれないな……」
聞くところによると、ケンジは大学までプロの選手を目指してサッカーに取り組んでいたらしい。
強豪高校、強豪大学でサッカーに打ち込んでいたけど、プロにはなれなかった。
でも、大好きなサッカーを続けたい。この一心で、指導者としてサッカーに携わっていく道を選んだ。
強い決意を持って指導者を志したはずなのに、最初に赴任したのは、まったく縁もゆかりもない小さな島にある弱小サッカー部。ケンジにとってそれは自分の思い描いていた指導者生活とは、まったく違っていたことだろう。
それなのに、ケンジは僕らに対して、常に一生懸命に、熱く接してくれた。
辛い気持ちを表に出さず、ケンジは僕らをサッカー仲間として扱ってくれた。