【U-19日本代表】岩崎に「俺が蹴る」。エースストライカー・小川航基の胸の内

10年ぶりの世界の扉をこじ開けたのは、エースストライカー・小川航基の一発だった。2ゴールを挙げた男の肉声を伝える

安藤隆人| Photo by 佐藤博之 Hiroyuki Sato

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3点目の重要性

 決して楽天的な考えでは無い。

 大事なのは決めきれなかったことを後悔するよりも、次のチャンスを作り出し、ゴールに迫ることを考える。だからこそ、世界が懸かった大一番でも気負うこと無く、冷静にチャンスに絡んでゴールを決めてみせた。2−0で迎えた73分には、自らの突破からFKを獲得すると、ボールに近づいたFW岩崎悠人に「俺が蹴る」と主張。きっちりと右足で沈めて、試合を決定付ける3点目を挙げた。

「僕はあまりFKを蹴る選手ではなかったのですが、あの瞬間にふと『(FK)もらったし、蹴ろうかな』と思ったんです。それで蹴ったらいい風に入りました」と、試合後に語り、記者達の笑いを誘ったが、それはあくまで完全な本音では無い。

 突っ込んで聞くと、「3点目がどれだけ重要かというのが、今までの経験で分かっていたので、2点差だと1点返されたら、勢いがついてググッと来るので、3点目の重要性は凄く理解していました」と冷静な言葉が返って来た。

 ゲームの流れを読み取り、重要なところで冷静になって勝利に導くゴールを決める。そこには重要な一戦でエースたる所以を示した男の充実した表情があった。

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