中盤のキーマンである流経柏の主将・関大和

　前出の榎本コーチも試合後にこう述べる。「こうして選手たちは『甘くないな』ということを学べるんですよ」と。

　夏の全国高校総体の舞台でも苦しみながら決勝に勝ち進んだのが流経柏だった。一回戦1－0、二回戦0－0PK4－3、準々決勝1－0、準決勝2－1と、戦うごとに試合感をつかむことで、ファイナルまで勝ち上がったのがこのチームである。そこでみせてきたものは、試合開始とともにハイプレスを続け、我慢の展開をはねのける力強さにあった。

「最初から自分たちのプレスだ、プレスだと、いかなきゃいけない」と榎本コーチが話す通り、3－0にもまだ持ち味は出しきれていない。主将・関はこう締めくくる。「次は皆も緊張もほぐれてくると思うので、自分たちのサッカーをしっかりやって、一戦一戦頑張っていきたい」と次戦をみつめる。初戦を勝ちきった全国大会のファイナリストはここから再び走りだす。