【ユースプレーヤー成長記】選手権出場の夢を叶えるために。U12世代で世界を経験した桐光学園SB・淡路昂宏
小、中学生時代を川崎フロンターレで過ごし、数々の全国大会へ出場。U-12世代では世界大会も経験した。桐光の右サイド・淡路昂宏をフォーカスする
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小学生のときの経験はいきているのか?
桐光学園3年・淡路昂宏選手。現在の写真が左、小学生時代が右
Photo by 山本浩之 Hiroyuki Yamamoto
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『全国高校サッカー選手権大会 神奈川県大会』で2連覇を狙う桐光学園。豊富なアタッカー陣を擁する攻撃型のチームだ。
「左サイドバックのジェフ(タビナス・ジェファーソン)も攻撃が持ち味の選手。上がっているときが多いので、自分がその分をカバーできるようにしています」
そう話すのは、右サイドバックの淡路昂宏だ。タビナス・ジェファーソンが攻撃力を発揮するには、逆サイドを担う淡路による攻守のバランスを意識した位置取りは重要となる。淡路は小学生のときからセンターバックを務めていただけに守備能力は高い。インターセプトや対人のプレーには絶対の自信を持つ。一方で、瞬発力と足の速さも定評があり、右サイドを敵陣深くまで駆け抜ける攻撃力に周囲からの期待は高い。
淡路は中学を卒業するまで川崎フロンターレのアカデミーで育っている。U-12の頃は、ジュニアサッカーの3大タイトルのうち、全日本少年サッカー大会こそ逃しているが、JA全農杯チビリンピック小学生8人制サッカー大会とダノンネーションズカップで全国を制覇している。
それにしても、あの頃の川崎フロンターレU-12は強かった。『ジュニアサッカーを応援しよう!』誌の取材で大会に足を運ぶと、たいてい勝ち上がっていて、当時チームを指揮していた髙﨑康嗣監督(現、グルージャ盛岡 ヘッドコーチ)や選手たちにコメントをもらったものだ。選手には、大会を振り返って感想を話してもらうのだが、話を締め括るときには「この経験は将来の役に立ちますね」というようなことを投げかけた覚えがある。だから、今回、淡路昂宏に話が聞けるということで、ぜひ「今、あのときの経験は役に立っていますか?」と質問をしてみたかったのだ。
「やっぱり小学生のうちから経験しておいて良かったことは多かったです。特にダノンネーションズカップの世界大会は思い出に残っています。海外の選手は小学生でも、日本人より体格とスピードが上回っていました。けれども足下の技術だけは日本の選手のほうが上だった。僕らが唯一勝てるのは足下の技術だったんです。これだけは他の国の選手よりも日本人のほうが上回っていると実感することができました」
淡路が参加した2010年のダノンネーションズカップは南アフリカで開催された。川崎フロンターレU-12は、イングランド、バングラデシュ、ウクライナ、アメリカ、アイルランド、フランス、チリと対戦し40ヵ国中5位という成績を残した。