チーム内競争で高め合う青森山田。鳴海彰人と高橋壱晟、ふたりの「得点王」争い

1月9日(月)、青森山田が前橋育英を5-0で下し、出場22回目で初優勝を飾った

編集部| Photo by 編集部 Editor

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■「得点王」の称号

青森山田

決勝戦で先制ゴールを挙げた高橋壱晟 Photo by Editor

 一方の高橋は先制ゴールで暫定的に得点王になった。「意識をしていないと言えばウソになりますので、正直(ゴールの瞬間は)嬉しかったし、意識も少しした」。一方、後半2得点で得点王レースを競い合う鳴海に対して、「まさか2得点獲るとは」と活躍について喜びながら愛好を崩した。そして鳴海を慮って言う。「彰人は前半に得点できてなくて、悔しかったと思う。それでも彰人が点を獲って勝てたのは良かった。(鳴海選手が2点目を決めた時は?)後ろからみていて『自分も獲りたい』と思って(前に)いきたかったですが、4-0になっている状況で自分がいく必要はありませんでした」と得点王レースの経緯を語ってくれた。

 それでも個人的な得点王への思いは少なからずあったという。「(得点王を意識したのは?)3試合連続ゴールをしたあたりから、もしかしたらと思っていました」。冗談交じりに「彰人が獲らなければ、ありましたね(笑)。あと1点獲れれば、(同率得点王で)良かったんですが、ただ1点獲れたので充分ですね」とチームメイトであり、ライバルである鳴海を称賛しつつ、やりきった表情を浮かべる。

 互いに意識し合いながら、第95回全国高校サッカー選手権大会の単独得点王には6得点の11番・鳴海彰人、単独2位には5得点で10番・高橋壱晟の名前が刻まれた。得点王を争うふたりのレースは、チームを活性化させ、同校初の優勝をけん引するものだった。

 見事に得点王を決めた鳴海は感想を聞かれると「率直に嬉しいです」とハッキリとした一言を口にする。それでも手放しで満足できたわけではなさそうだ。わずかな心残りは「本当は大迫(勇也)選手の10得点に行きたかった。ただあの人は『半端ない』ので」と記者陣の笑いを誘いながら、高校年代最後の大会を「得点王」の称号とともに笑顔で締めくくった。

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