[高校サッカー 心を揺さぶる物語]フリーキックに魅せられて <後篇>

[高校サッカー 心を揺さぶる物語]全国で本当にあった涙の青春ストーリーを紹介します

監修・執筆 安藤隆人| Photo by |シリーズ:[高校サッカー 心を揺さぶる物語]

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ゴールの神様に嫌われているんじゃないか

開会式

 それでも僕のフリーキックは入らない。

 試合では、そう何度もフリーキックのチャンスはやってこないし、フリーキックを蹴ることがあっても、「これを決めたら同点」「これを決めたら勝ち越し」など重要な場面ばかりで、外す度に僕の自信は失われていった。「1年間、フリーキックは俺が蹴る」と決めていたから、その決意を曲げたくはなかった。自分のエゴではないかと思ったときもあったけど、監督もチームメイトも僕に文句を言うことなく蹴らせてくれた。

 外したときに「次は決めようぜ!」と励ましてくれたこともあった。嬉しい半面、より申し訳ない気持ちになった。試合中にフリーキックを得たときも、以前は「俺が蹴る」と言っていたけど、さすがに「俺に蹴らせてください」とお伺いを立てる心境になっていた。

 弱気が弱気を生む。弱気が僕をゴールから遠ざける。負のスパイラルにどっぷりとはまっていた。
 ひどいときには、ボールをセットした瞬間に「これは絶対に入らないな」と感じながら、フリーキックを蹴ったこともあった。

「ゴールの神様に嫌われているんじゃないか」

 そう感じていた。
 強い決意と弱気な自分。複雑な思いを抱えたまま過ごしていたある日、転機がやってきた。

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