【連載 第1回】高校サッカー部探訪記-「文武両道」を貫く駒澤大学高等学校の教え-

高校サッカー部に訪問! サッカーを中心に、学校教育や特色などを取材。今回は、駒大高校サッカー部監督の大野祥司氏にお話を聞きました

田中瑠子| Photo by masakazu kawaguchi|シリーズ:高校サッカー部探訪記

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[第1回]-勉強で身につけた集中力が、土壇場でパワーを発揮する-

駒澤大学高等学校

駒澤大学高等学校の公民科教諭でサッカー部顧問と監督を務める大野祥司氏

 部員総勢270人。フィジカルコーチ、トレーナーを含む20人のスタッフが週7日の練習(*土・日曜日、祝日は試合を含む)を見る、都内でも類を見ない大所帯チームが、「駒澤大学高等学校サッカー部」だ。2016年11月に第59回関東高等学校サッカー大会では悲願の初優勝。

 東京都高等学校総合体育大会(インターハイ予選)では東京都3位と、あと一歩のところで全国大会出場を逃したものの、粘り強く走り続ける同部ならではの強さで他チームを圧倒してきた。駒澤大学高等学校サッカー部とは、どんなチームなのか。監督の大野祥司さんに話を聞いた。

■270人一人ひとりの活躍をしっかり見るコーチ体制

 270人を構成するのは、1年生88名、2年生83名、3年生87名と、12名のマネージャー。中学時代の実績を引っ提げスポーツ推薦で入部するのは毎年7~8名程度で、「レギュラーになって全国制覇」と高い目標を掲げるメンバーから、「駒澤でサッカーがやりたい」というサッカー未経験者までレベルはさまざまだ。入部制限はせず、どのレベルのメンバーも“自分なりの成長”を実感できるよう、スタッフ20人体制を設けているという。

「練習は、全部員を約13チーム、約20人ごとに分け、5~6つの都内のグラウンドに分かれて行います。チーム分けは、毎日サッカー部のホワイトボードで発表され、『今日は自分がどのチームでどのグラウンドで練習なのか』を把握する仕組みです。チームには必ずコーチが1名つき、トップチームもそうではないチームでも、いい練習をしているメンバーの様子をチェック。伸びしろのある選手は、次の日にはレベルが上のチームメンバーに移行することも頻繁にあります。トップチームだけが手厚く指導されるのではなく、どんなレベルにいても、コーチが個人個人の成長を見ています。270人の部員がほとんどやめることなく、練習に励んでいるのは、この体制があるからだと思っています」

駒澤大学高等学校

校舎内の玄関先に設置されているサッカー部陽のホワイトボード

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