【連載 第1回】常勝・市船流の“対話する”組織マネジメント ―リーダーと大人同士として目的を共有することで主体性を高める―
強豪・船橋市立船橋高等学校サッカー部朝岡隆蔵監督に、進化を続ける強さの理由を聞いた
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平成28年度全国高校総体では史上最多9度目の優勝を果たした市立船橋高校イレブン
全国高等学校サッカー選手権大会で優勝5回、高校総体で優勝9回の成績を誇る、強豪・船橋市立船橋高等学校サッカー部(以下、市船)。「選手の主体性を高めるため、変化は柔軟に取り入れる」という朝岡隆蔵(あさおか・りょうぞう)監督に、進化を続ける強さの理由を聞いた。
■選手に多くを求めるからこそ、
進言があれば尊重して柔軟に取り入れる
市船の部員は93人。選手の力量や将来性、ポジションバランスによって、トップチーム含む3チームで編成される。
トップチームは22人だが、練習の取り組み状況や試合内容によってメンバーは毎週変わるため、練習も常にアピールの場であり、一定の緊張感は途切れることがない。
各チームにつく2人のコーチのほか、キーパーコーチ、フィジカルコーチ、トレーナーの計9人のスタッフで選手の状態を共有しながら、チーム編成を考えていくという。
「選手をまとめるのは、キャプテンとサブキャプテン2人。そこに加え、2016年度からは、各チームにリーダーを設け、スタッフとリーダー間のコミュニケーションを密に行うような体制づくりを進めています。うちのスタッフは、技術力、指導力、情熱すべてにおいて非常にレベルが高く、トップダウンで選手全体に指示を出すやり方を進めることもできます。でも、選手に主体性を持たせ、自立した組織を作っていかなければ、自らの判断で動く勝負の世界では通用しません。選手同士のコミュニケーションを増やし、選手同士が意見を求め合うような環境を作るべく、今はスタッフとチームリーダーが同じ目的を共有した同士として対話します。その後、リーダーから選手へと伝達していくことで選手間のミーティングも増え、『自分たちで組織を作る』という自覚が生まれています」
部室に置かれたホワイトボードには、全選手の名前と目標が書いてある。これは選手から「目標宣言したい」と提案があり、2016年度から始まった取り組みだという。
練習場として使用している法典公園(グラスポ)サッカー場内にある部室に設置されている全選手の名前と目標が記されたボード