[高校サッカー 心を揺さぶる物語]いつも親父がいてくれた <前篇>
[高校サッカー 心を揺さぶる物語]全国で本当にあった涙の青春ストーリーを紹介します
スポンサーリンク■メンバーから漏れれば、3年生はその時点で引退
選手権本大会のメンバー発表まで、あと半月となっていた。
僕にとってのラストチャンス。選手権本大会のメンバーから漏れれば、3年生はその時点で引退という約束だった。
「もういいよ、メンバーに入れるわけないから」
Bチーム以下の3年生たちは、早々に諦めて、練習に来なくなるやつもいた。
でも、僕は絶対に諦めたくなかった。一緒に練習する3年生がいないときは、監督やコーチに直談判をして、2年生の中に混じって練習に参加した。
迷いがなかったわけじゃない。
こんなことをして、本当に意味があるのだろうか。
監督やコーチは見ていてくれているのだろうか。
あきらめて友達と遊んだほうが楽なんじゃないのか。
でも、病気と闘い続けている親父の姿を思うと、そんな気持ちではいけないと強く思い直した。
「練習しなかったら、どうあがいてもメンバーに入れない。たとえ可能性が低くても、今は後悔のないようにやるしかない」
僕は自分の心と戦った。
そして、ついに運命の日――。