[高校サッカー 心を揺さぶる物語]いつも親父がいてくれた <後篇>
[高校サッカー 心を揺さぶる物語]全国で本当にあった涙の青春ストーリーの後篇を紹介します
スポンサーリンク■ベンチでの観戦、仲間との絆
自宅に戻ってから準備をして、僕は一人、スタジアムに歩いて向かった。
スタジアムに着くと、チームメイトたちはまだ来ていなかった。
今日、ここで試合が行われるんだ。
気持ちが高ぶりはじめたとき、チームのバスがやってきた。
「お〜い!」
僕が手を振ると、チームメイトも手を振り返してきた。
バスから降りる一人ひとりを握手で迎えた。
当然、みんな僕の親父が亡くなったことは知っている。でも、そんな素振りを見せず、「今日は、絶対勝とうぜ!」と声をかけてくれた。
僕は安心してチームに戻ることができた。
角谷監督には、真剣な表情でこう言われた。
「慶人、一睡もしていない状況のお前をメンバーに入れるわけにはいかない。本当は選手として入れてあげたい気持ちはある。でも、それをやってしまったら、メンバーから漏れたみんなに示しがつかない。お前には申し訳ないけど、メンバーとして入れるわけにはいかないんだ」
僕もそれは当然の判断だと思ったし、チームを離れて病院に行った段階で、もうチャンスがゼロになったことはわかっていた。
「十分に理解しているので大丈夫です。スタンドでみんなを応援します」
僕がこう言うと、角谷監督は静かに首を振って、さらに真剣な表情になった。
「でもな……、俺はお前に今日はベンチにいてほしいんだ。お前はマネージャーとしてベンチに入ってほしい。チームのみんなをサポートしてくれ」
監督の気持ちがありがたかった。
初戦、チームメイトは必死で戦った。