[高校サッカー 心を揺さぶる物語]ユニフォームを着ることの喜び-前篇-

[高校サッカー 心を揺さぶる物語]全国で本当にあった涙の青春ストーリーを紹介します

監修・執筆 安藤隆人| Photo by Editor

スポンサーリンク
■背中の痛みが増していく

 その日から、背中に痛みを感じるようになった。
 病院には行かなかった。

 ケガで部活に出られなくなることがイヤだったからだ。
 練習に出られなくなったら、せっかくみんなに追いつこうとがんばってきたのに、置いていかれてしまう。

 僕は我慢をして、練習を続けた。
 でも、2ヶ月が経つと、痛みは我慢の限界を超え、靴下を履く動作がまともにできないほどの状態になっていた。

 生活にも支障が出てしまっては病院に行くしかない。診察を受けると、すぐに専門の病院に行ったほうがいいと言われた。
 言われるがままに僕は大学病院に行き、専門的な診察を受けた。

「腰椎(ようつい)の骨折です。椎間板(ついかんばん)障害を起こしている」

 僕は「サッカーはできますか?」と聞いた。

「サッカーはやってはいけない」

 どうやら腰椎の骨折だけではなく、無理をした結果、分離症なども引き起こしているらしい。
 重症なのはうすうすわかっていたが、言葉として告げられるとショックは大きかった。

1 2 3 4
PAGE TOP ↑