[高校サッカー 心を揺さぶる物語]僕らの声は届いたか-後篇-

[高校サッカー 心を揺さぶる物語]全国で本当にあった涙の青春ストーリーを紹介します

監修・執筆 安藤隆人| Photo by Editor

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■有村さんは笑顔でこう返してくれた

「有村さん! 僕のこと、覚えていますか?」

 すると、有村さんは笑顔でこう返してくれた。

「そりゃ覚えているよ」

 そこからはせきを切ったかのように有村さんと話をした。それまでの有村さんとの時間を取り戻すかのように、それはもう夢中に。
 有村さんは、僕なんかが想像できないほどの辛いリハビリを行ったそうだ。

 意識が戻ったもののずっと寝たきりだったことで、手足の関節は固まってしまった。
 再び動くようになるのか、それすらもわからず、歩けないままの可能性も高かったらしい。

 でも元気な姿を見せるべく、意識が戻っても僕らに会わずに、ずっとリハビリの日々を送っていた。
 毎日毎日、恐怖と闘いながら、焦りを抱えながら、粘り強くリハビリに取り組んでいたそうだ。
 
 今、有村さんは自ら接骨院を開業して、新たなスタートを切っているということだった。

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