集大成をみせたU-16日本代表! 森山監督が求めたシンプルな「闘う」という姿勢。
AFCU-16選手権・準々決勝のU-16UAE戦を迎えたU-16日本代表
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Photo by 佐藤博之 Hiroyuki Sato
AFCU-16選手権・準々決勝のU-16UAE戦を迎えたU-16日本代表。
かつてサンフレッチェ広島ユースを指揮し、DF槙野智章、MF柏木陽介を始め、多くのJリーガーを世に送り出して来た熱血漢である森山佳郎監督が率いたチームは、2015年2月の立ち上げから約1年半の活動の一つの集大成を見せた。
負けたら即終了のノックアウト方式。ここで勝つと負けるのとでは天と地の差だった。負けた瞬間にこのチームは解散し、勝てば来年のU-17W杯という大きな目標を掴むことが出来る。
森山監督に率いられたチームには積み重ねて来たものがある。森山監督が選手たちに求めて来たものは至ってシンプル。
それは『闘う』ということ――。
足先だけや形だけではなく、『心技体』が一体となってピッチ上でプレーをしているかと言うこと。そこには気迫や負けん気はもちろん、技術、判断、そして戦術理解力も含まれている。ハイレベルで『闘う』ことを、妥協無く求め続ける森山監督の下、彼らは着実にそれを体現するようになったのだ。
今年に入り、あるプレミアリーグイーストの試合後、FC東京U-18に所属するMF平川怜は、この試合に視察に訪れていた森山監督について質問が及んだ時、こう答えている。
「闘う気持ちを見せないと、あの代表では生き残って行けないので。代表で何回も選ばれて行くうちに他の選手の良いところ、ハードワークをしている選手に刺激を受けてきました。瀬古(歩夢・C大阪U-18)などを見ても、絶対に負けられない気持ちが強いんです。今季はまだ1年生だけど、どんどん上に絡みたい。早く自分が中心になりたいんです」。
『闘い』はピッチ上の激しさだけでは無い。仲間とのライバルたちとの闘いも含まれる。代表として集まる度に、成長しているライバルを見て、自らの闘争本能に火を点けることで、さらに『闘い』は進化をする。
これこそ彼らが積み上げて来たベースであり、かけがえの無い財産である。UAE戦は彼らにとって、これまでの積み上げをピッチで惜しげも無く披露する最高の舞台となった。
「負けたらもう森山監督の下でサッカーをすることが無くなってしまうので、しっかりチームを引っ張って、勝って必ずU-17W杯に行きたい」(MF福岡慎平・京都サンガU-18)。
彼らは素晴らしい軌跡を体現することができたのだ。それは選手たちが一番理解をしていたからに他ならない。彼らはU-17W杯という舞台を手にして、アジアの盟主となるべく、準決勝、優勝につき進む。