【高校サッカー選手権ストーリー】富山第一FW・本村比呂が掲げた父への誓い
高校サッカー選手権における富山第一FW・本村比呂のストーリーを伝える
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■父の死という困難を乗り越えた「9番」
長い時間はかかったものの、父の死という困難を乗り越えた本村はチームの「9番」として富山第一を全国選手権出場に導いた。その後、突如スランプが襲う。選手権の富山予選終了後、全くゴールが決まらなくなり、ピッチ上で自分らしさを出せずに悩む時期が続いた。
そんな時も亡き父と監督の思いが悩める“息子”を救った。選手権開幕の約3週間前、大塚監督は本村を呼び出し「こんなので後悔なくやれるのか? お父さんのためにサッカーやるんじゃないのか?」と投げかけた。
この言葉で再び心に火がついた。選手権直前に行われた練習試合では3試合で3得点を挙げ、ゴールを決める感覚を取り戻した。
本村は「基本的にとても優しいんですけど、本当にダメと思う時には厳しく言ってくれて、本当に自分の息子のように扱ってくれます。僕もやりやすいですし、富山第一に入って本当によかったなって、心の底から思います」と常にそばで支えてくれた恩師に感謝を惜しまない。大塚監督も「自分の息子みたいに思っている」と、3年間苦楽を共にした2人は揺るぎない信頼で結ばれている。
卒業後はびわ湖成蹊スポーツ大学へ進むことが決まっている。もちろんプロ選手になるべくサッカーを続ける。だからこそ本村の全国選手権にかける思いは強かった。
「僕が大学へ行ってしまったらお母さんが1人になるので、恩返しできるのはここが最後だと思う。プロになって恩返ししたいというのもあるんですけど、いまできるのは結果で恩返しすることだけです」