[高校サッカー 心を揺さぶる物語]いつも親父がいてくれた <後篇>
[高校サッカー 心を揺さぶる物語]全国で本当にあった涙の青春ストーリーの後篇を紹介します
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僕は控え選手のアップの手伝いをしながら、ピッチにいるチームメイトに声をかけた。
1-2。
1点リードを許したまま、試合は後半ロスタイムに突入した。
でも、誰ひとり諦めずに、点を取ろうとしていた。もちろん僕も一緒に戦っていた。
「ワアアアアアアアア!!」
試合終了間際、同点ゴールが決まった!
そして勝負はそのままPK戦にもつれ込んだ。
PK戦、僕らはベンチ前で、全員で肩を組んで勝利を祈った。
すると、空から雪が降ってきた。
僕は天を見上げた。
〝一度に2つも大切なものを失いたくない!〞
本心だった。親父も失って、チームも失ったら嫌だ。心からそう思った。
「イヤだ! イヤだ!!」
僕は無意識のうちに声を出していた。
「慶人、大丈夫だ! 俺たちは絶対に勝つよ!」
「みんなお前のために絶対に勝ってくれるぞ!」
周りの仲間が言ってくれた。
「大丈夫だ、慶人! 仲間を信じろ!」
角谷監督も声をかけてくれた。
そうだ、僕には信頼できる監督と素晴らしい仲間がいる。
信じよう。
そして――。
仲間のキックがゴールに突き刺さった。その瞬間、2回戦進出が決まった。