【静学スタイルの真髄】心のコップを上に向けさせろ。 元サッカー部監督・井田勝通の教え!

人間には2つのタイプがいる。心のコップが上を向いている人と、下を向いている人だ

井田勝通| Photo by Editor|シリーズ:【静学スタイルの真髄】

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■自分のやるべきことにイキイキと取り組む人生

 この2つの考え方の違いが分かるだろうか。

 前者は「未来」を基準の自分の進むべき方向を考えている。

 自分の理想像を思い描き、そのために何をしなければいけないかを明確にして、そこに向かって進もうとしている。

 逆に後者は「過去」を基準に自分の方向性を考えてしまっている。

 過去がダメだったから、未来もムリ。自分にはできないという後ろ向きの見方しかしていない。

 こうやって比較していけばいくほど、心のコップを上に向けるか、下に向けるかがどれほどの差を生み出すかがよく分かるだろう。
 心のコップが下を向いている指導者や教師、親が、それを上に向けることはできない。まずは人を導く立場の人間が変わらなければならないんだ。

 たとえ小さくても、輝く未来の希望に気づかせ、今の自分自身を振り返らせ、心のコップを上に向けてあげる作業は非常に重要だ。

 一度、考え方が変わった人間は、指導者や親に言われなくても、自分で希望の兆しに気づき、主体的で前向きな生き方ができるようになる。

 前向きな未来のために、自分のやるべきことにイキイキと取り組む人生。

 諦めずに成功に向かって突き進む人生。

 その素晴らしさが理解できるように、心に灯をともす作業を、指導者や親は続けていかなければいけないと思う。

井田勝通(いだ・まさみち)
静岡学園サッカー部元監督。1972年、静岡学園サッカー部監督に就任し、2009年に退任するまでに高校サッカー選手権優勝や60人以上のJリーガーを輩出するなど、多くの業績を残した。技術に特化しながら”個”を伸ばす育成は”静学スタイル”として知れ渡り、プロ選手や、指導者に受け継がれている。退任後も、静岡学園中高サッカー部エキスパートアドバイザーやNPO法人岡部スポーツクラブGMを務めている。

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