[高校サッカー 心を揺さぶる物語]フリーキックに魅せられて <後篇>

[高校サッカー 心を揺さぶる物語]全国で本当にあった涙の青春ストーリーを紹介します

監修・執筆 安藤隆人| Photo by |シリーズ:[高校サッカー 心を揺さぶる物語]

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■選手権予選を直前に控えた時期の監督の提案

「自主トレの時間を作ろうと思う」

 選手権予選を直前に控えた時期に、監督から提案があった。
 それぞれの選手の長所を伸ばす、あるいは弱点克服のため、監督は全体練習の時間を短縮して、自主トレーニングをする時間を与えてくれた。
 
 チームのコーチが「フリーキックの練習をしよう」と僕に言ってくれた。

 僕は夢中になってフリーキックを蹴り続けた。
 ゴールの四角にビブスをかけてそこを目がけて蹴ったり、チームメイトが壁を作ってくれたり、ゴールキーパーがついてくれたこともあった。

 みんなの貴重な時間を僕のために使ってくれることがありがたかった。

「もっと助走をゆっくりにしたほうがいいかもしれない」

 練習を重ねていく中でコーチからアドバイスがあり、これまでとは違って歩くくら
いのスピードで助走するようにした。

 すると、目線がぶれなくなったことで、ボールにしっかりとミートできるようになっ
た。キックの軌道が安定し、ゴールが決まる確率が上がっていった。

「この感覚だ!」

 ずっと感じることができなかった自分にとってベストな感覚が、よみがえってきた。

 さらに足のどこにボールを当てるかを考えながら、いろんな種類のキックを蹴ることも試した。
 勢いのあるボール、ストンと落ちるボールを使い分けられるようになった。これで壁の位置に関係なく、シチュエーションに応じてゴールを狙える。

 自分の感覚が研ぎ澄まされていくのがわかる。
 ゴールを決めるイメージがどんどん湧いてきた。

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