[高校サッカー 心を揺さぶる物語]155cmのゴールキーパー-前篇-
[高校サッカー 心を揺さぶる物語]全国で本当にあった涙の青春ストーリーを紹介します
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■「お願いです。選手権前にお見舞いだけでも行かせてください」
とにかく、僕は無我夢中になって飛んでくるボールに食らいついた。
試合が終わった。ものすごい達成感だった。
こんなにゴールキーパーが楽しいなんて!
監督からは「うまいな、素質があるんじゃないか?」と言われた。
すごく嬉しかった。サッカーを始めてから、一度もほめられたことがなかったけど、ゴールキーパーをやったら監督がほめてくれた。
その後、試合を休んだ上級生はそのままクラブを辞めてしまい、それからは、ゴールの前に立つことが、僕の日常になった。
中学に進学してもサッカー部で、ゴールキーパーを続けた。
シュートを止める快感、仲間とともに必死でゴールを守る楽しさ。ゴールキーパーとしてのプレーは、僕に多くの喜びを与えてくれた。
身長は低いほうだったが、県選抜にも選ばれ、ゴールキーパーとしては県内でナンバーワンと言われる存在になっていた。
でも、中学3年生の秋。僕は周りの本当の目を知ることとなった――。
僕は県内の強豪校に進学して全国大会に出たいと思っていたから、特待生での入学を希望していた。
あるとき、僕は担任の先生に呼ばれた。特待生に選ばれたという報告だと思っていたのに、そうじゃなかった。特待生には、僕ではなく同級生が選ばれたことを告げられた。