体調不良で練習欠席の久保。小林と瀬畠の負傷離脱。世界で戦うU-16日本代表が獲るべき「アジア王者」という絶対条件
U-17W杯出場権を獲得したU-16日本代表だが、大会はまだ続く。負傷離脱者を抱え、アジア王者を目指すチーム。今後世界で戦う彼らが乗り越えるべき課題とは何か。
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U-16日本代表のFW山田寛人
Photo by 元川悦子 Etsuko Motokawa
さらに悔しさをあらわにしていたのは山田だった。後半66分から途中出場し、ファーストタッチで決定機を迎えたものの、FWとして決めきれなかったことを振り返っていた。
「すごくいい場面で(ボールが)来たなと思って、自分も決めたらヒーローになれるかなと思いましたが、うまく当りませんでした。他のシュートも全部当たらなかったので、さらに練習していきたいです。自分は他のFWに比べると点も少なくて、出場時間も少ないし、負けてられない。あと残り2試合もっと点を決めて、貪欲にゴールを狙っていきたいと思います」と悔しさのなかに意欲をにじませる。
今年1月のAFC・U-23選手権(カタール)では、準決勝まで無得点ながら決勝・韓国戦の2発で主役の座に躍り出た浅野拓磨(シュツットガルト)、ストライカーには特定の試合がサクセスストーリーとなる例もある。だからこそ山田も虎視眈々と得点を狙う。
準決勝はチームを離れる小林、瀬畠に加え、久保も欠場するかもしれない。また公式の発表でも離脱する選手に代わる招集選手の予定はない。20人、この現有戦力をもって勝ち切らなければならない。
それだけにチームとしてより強固な一体感と結束力を示す必要がある。そして彼らにはそんな勢いと底力がある。今こそ指揮官から叩き込まれた強い気持ちを押し出すべき時であり、コンディション不良や離脱者が続出するなかで、「アジア王者」を獲ることが今後世界で戦う彼らが乗り越えるべき絶対条件だ。
(取材・文:元川悦子【ゴア】)