【TEAM FOCUS】目標のベスト4へ。ケガに泣いてきた検見川の主将・平田祐志がチームのために放った決勝弾

10日(月・祝)、高校サッカー選手権千葉県大会一回戦の最終実施日。最後に二回戦進出を決めたのは検見川だった

編集部| Photo by Editor

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試合に出場できない日々に一度は挫折しかけて

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ゴール後に拳を突き上げて喜ぶ主将の平田祐志

 そんなピッチに立った平田だが、試合に出場できない日々に一度は挫折しかけている。

「夏の総体戦、チームは流通経済大柏に負けてしまった。自分はケガの影響もあって、その時にサッカーを本当にやめようと悩みました。それでもコーチから『お前、キャプテンだし、悔しくないのか』と言われました」

 今年、三回目の先発出場。まわってきた機会は負ければ最後となる公式戦だった。本来スタメンであるボランチの不在もあり、フル試合出場。それも今季Aチームでははじめてのこと。彼がこのピッチに立つことをあきらめなかったのは、「出られなくても皆の役に立てる。だからやり続けなきゃいけない」という感情だった。

 そんな最後の大会にかける気持ちを決勝ゴールにつなげる。「追いつかれたときに流れが悪くて、のまれていると思いました。点を獲らなければ自分たちが負けるし、終わってしまう。自分がキャプテンなので声を出して、盛り上げて、1点をとりにいきました」

 87分のゴールは「キッカーといつも練習しているかたち」であり、コーナーキックは継続した努力の産物だった。「キッカーにつき合って、いつも練習後にボールを受けていたんです。これまでの経験があって、大体回転で『ここにくるな、ここにいけば』というのが分かりました」

 練習で繰り返したセットプレー。ファーサイドに飛んだボールに突っ込む動きはドンピシャでハマった。「キーパーに当ててでも決めるなら、あそこしかなかったので思いきりヘディングしました」というボールはGKとDFが守るわずかなすき間をすり抜けてゴール。平田は応援団の声援に天高く拳を掲げて呼応し、皆がかけよるピッチのなかで愛好を崩した。

「自分が次もスタメンで出るかどうかは分かりません。それでも途中交代があるかもしれない。残り時間が少なくてもちゃんと活躍できるように、結果を残せる大会にしたい」

 自信を胸に結果を出す。主将自らのゴールで再び目標へのトビラを開こうとしている。「県ベスト8はすでに越えることができました。だからもう一つ上にいきたいと思います。いけるのはこの大会が最後」

 検見川が目指す目標は、残りあと2つの勝利の先にある。

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