【U-19日本代表】陰の主役・原輝綺。流れを変える『いぶし銀』は三度輝くか。

後半途中出場で流れを変える。陰の主役・原輝綺が果たした役割だ。U-19日本代表における有用性を考察する。

安藤隆人| Photo by 佐藤博之 Hiroyuki Sato , 編集部 Editor

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U19

U-19日本代表において後半途中から流れを変える存在となっているMF原輝綺

『陰で支える』タイプ

 ギリギリの戦いを続けるU-19日本代表において、流れを変える存在として、大きな存在感を放っている『いぶし銀』がいる。市立船橋高3年のMF原輝綺は、初戦のイエメン戦、第二戦のイラン戦ともに後半途中から投入され、効果的なプレーで今大会のキーマンになりつつある。

 キーマンになることは大会前から分かっていた。なぜならば攻撃的なボランチが多い中、彼は守備がきちんと計算出来る選手で、自らを「どっちかというと目立たない存在だし、別に何かをする訳ではなくて、『陰で支える』タイプだと思っています」と評している。

 彼の守備の本質は『ただの受け身の守備』ではないこと。カバーリングやスペースケアはもちろんうまいが、奪えると判断をしたら、迷わず前に出てボールを奪い切る。予測がいいため、コース取り、身体の向きも良く、重心を低く据えて足下のボールを絡み取っていく。さらに上半身がピンとした状態でボールを奪えるため、奪ってからも縦パスやスペースへのパスも出せる。プレーを止めない連続性こそ、彼の最大の魅力の一つでもあるのだ。

 だからこそ、内山篤監督は彼をメンバーに抜擢し、全体のバランスを整えたいとき、攻撃に厚みをもたらしたいときに彼を投入している。イエメン戦、イラン戦ともにスタートは神谷優太と坂井大将のダブルボランチだったが、2人とも攻撃色が強い一方で、守備時には2人がフラットに並んでしまい、マイボールになってもすぐに前線のアタッカーと距離を詰められなくなり、二次、三次攻撃になかなか繋がらなかった。そのテコ入れとして、二戦とも原は後半途中に投入された。

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