【高校サッカー選手権:静岡】旧友とのPK対決を制した藤枝明誠のGK・秋山匠也。7年ぶり2度目の全国に導くセーブ
高校サッカー選手権静岡大会は派手な打ち合いとなった。攻撃陣がフォーカスされる試合において、得点とは無縁ながら勝敗を分けたGK・秋山匠也の活躍に注目する
スポンサーリンク藤枝明誠高校のGK・秋山匠也の活躍
Photo by 平野貴也 Takaya hirano
3対2という派手なスコアになると、ゴールシーンばかりが印象に残る。オウンゴールもあるが、合計5発。ゴールを振り返るだけでも試合のハイライトは伝わる。ただ、結果が1点差であったことを考えると「無視できないノーゴールシーン」があったことも伝えなければならない。PK阻止。小さな守護神が果たした役割は、大きかった。第95回全国高校選手権の静岡県大会は19日にエコパスタジアムで決勝戦を行い、藤枝明誠高校が3-2で浜松開誠館を下して7年ぶり2度目の全国大会出場を決めた。
先にリードを得たのは、藤枝明誠だった。試合開始5分でセットプレーから一撃。空中戦を得意とするDF津野匡哉が頭で決めた。そこからリズムに乗って攻撃を仕掛けたが、浜松開誠館がロングパスからのカウンターを徹底してクロス攻撃でチャンスを作り出すと、藤枝明誠はチームの肝となっている「距離感とバランス」が崩れて全体が間延び。次第に試合のペースは、浜松開誠館に移って行った。
藤枝明誠は、前半28分に大きなピンチを迎えた。相手FW高岡廉に抜かれた右DF萩原槙人が食らい付こうとした際にファウルを犯してPKを献上したのだ。ところが、浜松開誠館のMF今泉富が中央やや右に蹴ったシュートを藤枝明誠のGK秋山匠也がファインセーブ。こぼすこともなくキャッチして、難局を乗り切った。その後、前半終了間際と後半の9分に失点を喫して一度は逆転を許すことになるのだが、PKで追いつかれていれば2失点では済まなかったかもしれない。