【注目の選手権出場校】継承された知略と進化した姿。大分高校躍進のカギを握る司令塔・永松涼介とボランチ・神田尚輝
2011年の選手権では県勢初のベスト4となった大分高校。2年連続9回目、今年も全国の舞台に立つ。再び全国の舞台で躍進を狙うチームの姿とは
スポンサーリンク大分高校サッカー部の司令塔・永松涼介
Photo by Hinatsu Higurashi
■キーマンとなる永松涼介と神田尚輝の存在
2年連続9回目の全国大会出場に向けトレーニングを続ける大分高校が、初戦敗退した昨年の雪辱をと士気を高めている。昨年のメンバーが引き続き主軸を担う今年のチームは、大分中学からの中高一貫指導体制が本格的に取り入れられた最初の年代。技術が高い選手が多く、細やかにパスをつないで相手守備網を崩すスタイルを早い段階から仕込まれてきた粒揃いで、当時から周囲の期待も高かった。
一方で、昨年の全国大会で矢板中央高校に逆転負けを喫した際にも明らかになったとおり、フィジカル面での課題も抱えていた。そのなかで、緻密な戦術トレーニングで大分高校を8度の全国出場へと導いてきた朴英雄監督が病気療養のため休職。急遽この夏から指導にあたることになった川崎元気監督は、基礎技術と判断力を高めるトレーニングを増やし、食育や素走りメニューを通じて、その課題克服に取り組んできた。
川崎監督自身、朴前監督の教え子でもある。中学2年のとき、韓国から来日したばかりの前監督に率いられた大分市トレセンチームで「第11回京都招待中学サッカー大会」優勝を遂げたメンバーの一人だ。そのチームで川崎監督と2トップを組んでいた岡松克治が、現在はヘッドコーチとして川崎監督とともに大分高校を指導している。
朴前監督と川崎監督、2つの体制を経験したチームは、それぞれの指導の特長を吸収しながら成長を続けてきた。そのキーマンとなるのが、司令塔の永松涼介とボランチを務める神田尚輝だ。