満足なきエースの想い。鹿島学園の苦境を救った上田綺世にとっての2ゴール

31日(土)に行われた高校サッカー選手権一回戦、茨城県代表の鹿島学園のエース上田綺世が輝きを放った

舩木渉| Photo by Editor

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■チームのためには得点王よりも優勝

「雑誌とかにも『得点王争いのダークホースだ』みたいに書いていただいているんですけど、僕は得点王にこだわっていないんです。得点王だったり目標とする得点数を自分の中で決めてしまうと、それに固執してチーム全体を見られなくなってしまうことがある。僕は副キャプテンなので、点を取ることが仕事ですけど、チームのことをするのも仕事。自分の記録よりも得点王をとって優勝できなかったら意味がないので、チームが勝つための得点を自分が取れたらいいと思っています」

 ストライカーとしてのエゴとエースとしてチームを背負う責任感を両立させた上田には、鈴木監督も「やってやろうという気持ちを持っているとは思うんですけど、まだまだ精神的にはこれから、発展途上の選手ですね。常に一瞬のゴールを狙っているところは非凡。ゴールだけを考えているので、今後飛躍する可能性もある」とこれからの成長に大きな期待を寄せる。

 上田は卒業後、法政大学へ進学することが決まっている。鹿島学園は4年ぶりの選手権出場で、自身にとって最初で最後の腫れ舞台。これまで幾度となくチームを救ってきた絶対的エースがもう一皮剥ければ、8年前に先輩たちが残したベスト4を超えた先の景色が見えてくるかもしれない。

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