チーム内競争で高め合う青森山田。鳴海彰人と高橋壱晟、ふたりの「得点王」争い
1月9日(月)、青森山田が前橋育英を5-0で下し、出場22回目で初優勝を飾った
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■壱晟とは同率で得点王になろうと誓っていました
決勝戦で2得点を挙げた鳴海彰人 Photo by Editor
57分は本人曰く「胸トラして決めるだけ」という場面だった。右サイド・嵯峨の正確なクロスを胸でボールを前方上空に跳ね上げて、マークをかわすと、落ち際のボールにスライディングで右足を振くと相手GKの足もとをすり抜けてゴールとなる。
この得点で鳴海は勢いに乗った。さらに2分後。
59分、「来たボールを流すだけ」。自軍GKである廣末陸の後方からのフィードに、中央で郷家友太がバックヘッドで右サイド前方に流すと、鳴海が走り込み右足で左サイドに蹴り込む。立て続けの2ゴール、電光掲示板のスコアは4-0が浮かび上がっていた。
決勝戦前日、鳴海は先制ゴールを挙げた高橋とこんな談話を交わしていた。「壱晟とは同率で得点王になろうと誓っていました」。それで「1点目でこのままいけば……」と頭をよぎっていた。2点目については「ラッキーだった」と話す。同校1、2位を争うスコアラーは互いに意識をし合う存在。この試合でも相手と戦いながらも、チーム内における競争が彼らを高め合っていたようだ。
「大会になると自分と壱晟は得点争いで接戦になる。インハイは自分が勝って、プレミア(高円宮杯プレミアリーグEAST)では壱晟に負けた(高橋がチームトップ7得点でランキング4位)。次は選手権だった。この大会でも自分がチームで1位でしたが、後ろから壱晟が追いかけて圧をかけてきたので自分も決めなきゃと奮起した」(鳴海)